RICOH GR
前の試用で、絞り優先時のフラッシュの動作について、「日中シンクロを想定しているようだ」と書きました。
気になったので、もう一度試してみました。
夕方、外はまだ明るさが残っているけれども、室内の照明(白熱灯型蛍光灯)をつけている状況です。
最初はフラッシュなしの絞り優先モード。
ISO100、f2.8です。
シャッター速度は1/10秒。ブレてます。
色も赤みがかって、不自然な感じになってしまいました。
RICOH GR
続いてフラッシュを上げ、シャッター速度優先で撮ってみます。
ISO100、シャッター速度は1/250秒。
f2.8になりました。
ブレはなくなりましたが、外光に比べてフラッシュの光が強くなりすぎ、雰囲気が出ていません。
肉眼ではカーテンの隙間から緑色にみえている外の芝生が黒くなり、明るく見えているカーテンも暗くなっています。
RICOH GR
最後に絞り優先で、フラッシュを使ってみます。
ISO100、f2.8は同じです。
今度のシャッター速度は1/40秒となっています。
どうやら絞り優先モードでフラッシュを使うと、感度に関わらず、シャッター速度は1/40秒に設定されるようです。
動きの速い被写体では、これではブレてしまいますが、この場合には問題ありません。
適度に外光が入って、雰囲気を残しつつ、色の不自然さがなくなっています。
芝生はちゃんと緑に見え、ブレもそれほど目立たず、3枚の中では一番よいバランスとなりました。
なかなか、良いですね。
内蔵フラッシュは使わない主義の人もいると思いますが、室内で子供を撮るとなると、そうも言っていられません。
GRではこうした自動調光の他に、マニュアルでも調光できるので、うまく使いこなせば、撮影の幅が広がりそうです。
ただ、気になることが…
試してみたら、プログラム(P)モードでも、オートモードでも、フラッシュ使用時のシャッター速度は絞り優先モードのときと同じ1/40秒なのです。
GRではオートモードでも、手動で上げない限り、フラッシュはつきません。オートモードで暗闇でフラッシュを使うと、ISOはなんと25600まで跳ね上がり、その一方で絞りはf2.8、シャッター速度は1/40秒のままです(プログラムモードでは他は同じで、ISOだけ800でした)。
普通はオートモードでフラッシュを使用する時は、もう少し感度は押さえめに、シャッター速度は速めに設定するものでは…?
試しに手持ちの一眼レフでフラッシュを上げて暗闇で撮影すると、EOS-kissが焦点距離に関わらず、ISO400で1/60秒。K-5はプログラムモードではISO400~1600に変動し、オートモードではISO3200固定で、シャッター速度は焦点距離18ミリで1/50、40ミリで1/100秒でした。
kissも子供撮りにはシャッター速度遅すぎで、もっぱらオートモードで使っているママには「フラッシュ使ってもちゃんと映らない」と不評なんですが、GRはさらに遅めになっています。
結局、GRで動く被写体をフラッシュ使って写そうと思ったら、シャッター速度優先モードを使うしかないようです。
以上のような設定について、取扱説明書には何も書かれていません。
これはさすがに、ちょっと不親切では?
これでは何も知らない人が、オートモードでフラッシュ撮影しようとしたら、確実に失敗写真になってしまうでしょう。
うーん…
なんか、「素人は使うんじゃねえ」的な仕様ですね…